トイレ事件!娘と一緒に泣きながら誓ったあの日を絶対に忘れない

娘がまだ小さくて、一人では何もできないとき。
たしか2・3歳くらいだったと記憶している。
誓ったあの日
おもちゃを我慢できる子
娘は欲しいものがあっても、我慢をして気持ちを収めることができる子供であった。
おもちゃを欲しがり、駄々をこねるようなことは一切しない。
逆におもちゃを欲しがらないのことが心配で、私が色々と見立ておもちゃを渡していた。
それはそれで喜んで遊んでいた(大量のぬいぐるみがそれである)。
想像ですが娘は「ものを欲しがる=悪いこと」と覚えてしまっているように感じている。
そんな娘が唯一「レジのおもちゃ」を欲しがったのを記憶している。
おもちゃのレジを買いに行こうと決め、おもちゃ屋に行った。しかし残念ながら、ほしがっていたミニーちゃんのレジは売り切れていたのだ。
我慢強い娘もよほど悔しかったのだろう。
目にはジワっと涙をこらえているのが分かるのだ。でも、泣きはしないし、駄々をこねて困らせることはしない。
小さいうちはもっと親を困らせたほうが、安心できたかもしれない。
ある日に事件が

このように自分で我慢することが、正しいと覚えてしまったがために、とても切ないことがおきてしまった。
トイレに行きたい
いつもと同じく家族3人で遊んでいたときである。
ちょっとした用事で妻と別行動を取り、私と娘2人で大宮をぶらぶらしていた。
娘が一言ささやいてきた。

娘
「パパ、トイレに行きたい。大変だ、漏れそう!」
私は焦った。普段からこのような心構えをしていなかったため、トイレの場所を把握してはいなかったのだ。
娘が必死で我慢しているのが分かる。
SOGOの地下1Fのトイレの場所なら分かるので、娘を抱っこして私は走った。
そしてトイレに着いた。
しかし・・。
残念なことに全部埋まっており、ちょっと待ってみたが開く気配がない。
女子トイレが空いているのか確認する時間もない(どのみち入れないし)。
やばい・・・。そして・・・。
もたもたしているうちに間に合わず、残念なことになってしまった。
・ ・ ・
この時に娘が私に驚くことを言ってきた。
・ ・ ・

娘
「パパ、ごめんね。パパ、ごめんね。」
と言いながら泣いていた。
「えっ」、私は耳を疑う、悪いのは私である。
「しいちゃんは悪くないからね。悪いのはパパだからね」と何度も説明をしたが、娘は泣きながら謝っている。
私は、ものすごい切なさと虚しさと自分への怒りを覚えている。
小さいから分からないこととはいえ、悪いことをしたと思ってしまったのだ!
そんな娘は理不尽にも「ごめんね」という言葉を言っているのだ。
私は娘と二人で「ぎゅっと」抱きしめ合いながら泣いた(もちろん二人ともおしっこまみれである)。
娘に二度とこのように理不尽な「ごめんね」は言わせない。
私は心に誓い、そして二人で泣き続けた。
そして約10年後の娘
あの時から約10年ほど経過して今は・・・。
小さい時は恥ずかしがり屋でものすごい人見知りであったが、当時の面影は全く無い。
とにかく強いの一言である。
おもちゃを欲しがる時期も過ぎ、さらにものを大事にする意識は両親よりも高くなった。
不要なものを買うと私が怒られるのだ!
娘は小さい時から、また今でも手がかからないまま、大きくそして立派になった。
私が娘を叱ったのは幼稚園のときの1度だけだ。
人見知りな性格はどこかに行ってしまい、今は学校でもリーダーシップを取り、先生にも「強い子ですね」と言わせるほどである。
・ ・ ・ ・
でも10年前のあの時のことは私は忘れない。
娘がどんなに強くなっても、娘が覚えていないとしても、
泣きながら誓ったあの日のことは絶対に忘れない。